憂鬱な冬子とシトリン②

見せてもらったのは

透明で、きらきらの

まるで太陽光みたいな

石のペンダントトップだった。

 

 

なんだろう、すごくきれい…!

 

他の石も、もちろん綺麗なのに、

今はこのキラキラした黄色に

吸い込まれていきそう。

 

小さいと心配なのもあり、

この大ぶりのシトリンは

見ているとなんとなく

温かい気持ちになってくる。

 

 

「シトリンは、

よく商売繁盛や金運で意味が

書かれていたりするのですが、

それだけでなくて、

気持ちを明るくして、

押さえている自分自身を

うまく解放してくれるような

エネルギーの石なんですね。

 

他の石もたくさんあるので、

一番今気になる石を選んで

いただければと思いますが、

どうですか?」

 

 

「いや、このシトリン、

すごく惹かれるので、

これを購入していっても

いいですか?!」

 

 

こんな仕事くらいで

悩んで…と思っていたけれど、

 

ヨフィさんが

「今は会社に出勤するだけでも

自分に丸をつけて下さいね、

あと、自分の時間には

楽しいことや笑えることを

取り込んでみると

ちょっと気分が変わるかも

しれないし、

そんなエネルギーを

シトリンも運んでくれるかも

しれません^^」

 

ということを話しながら

渡してくれたシトリンを

早速胸に密かに着けて一カ月。

 

 

 

シトリンのこの明るい

キラキラが本当に

気に入って見るだけで

元気になってくる。

 

 

それだけでも十分だったのに、

今日上司がいきなり

「ゴホン、谷口くん、

その…この営業所に来て

4カ月経つのだが、

君の受付の時がまぁ、

データとして営業の

契約率が一番いい。

これからも頼んだよ。」

 

…だってさ!

 

 

あのヒゲゴリラ部長が

あんな事言うなんて、

ちょっと楽しくなって来たかも☆

 

 

私ってもしかして、

仕事ぐらいしか

人並みにできないって

思っていたけど、

 

意外に私って、

仕事嫌いじゃないのかもね。

 

なんだかんだで

明日の年1表彰される

一年皆勤賞は

今年は私だけみたい。

 

 手当も出るみたいだし、

あてにしてなかったからラッキーだわ♪

 

 

 

これは早苗になんか

奢んないとね(^O^☆♪

久しぶりに

またガールズトーク飲みでもするか!!

 

 

 

終わり

 

 

 

※この物語はフィクションです。

登場人物や設定などはすべて架空の人物となります。